Prog Notes of 2012years

画像 今年も残すところあと一日となった…。今回特別枠で設けた「Prog Notes of 2012years」のUPで以って、『幻想神秘音楽館』2012年最後の更新となる…。
 今回10選でランキングされた作品は、大御所クラスの復帰作始めデヴュー間もなくランクインした新鋭の強者を含めて、新旧ヴァラエティーに富んだそうそうたる顔ぶれになったと思う。
 年末恒例ともなった、一年間の総括ともいえるランキングを御覧になられて、想像していた通りだと思われた方もいれば、成る程そう来たかと思われる方、何でこの作品をランクインしなかったんだ!とご立腹される向きもあれば、自分が想像していたのと違うと不満に思われる方々…と、兎に角枚挙に暇が無いのも仕方あるまい。
 あくまで自らの主観に則った形で、加えて時代相応に相応しく何度も繰り返し回数を重ねて聴いていた作品を厳選に厳選を重ねてランキングしてみた次第である。
 だからここに挙げた作品群は私個人のランキングであるが故、これを御覧になって参考にするも良し、それでも納得いかないのであれば、各々が個々に自らの今年の10枚を選んでほしいと願わんばかりである…。

最後に…今年一年間本当に当ブログを御覧になって頂き、応援してくれて本当に有難うございました。
 来年も更に引き続きプログレ道に精進し、素晴らしい音楽作品をこれからも取り挙げ紹介していきたい所存です。これからも末永く宜しくお願い致します。
 それでは良いお年をお迎え下さい…。



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第1位 ALPHATAURUS/Attosecondo
 名実共に39年振りの彼等の新作こそ、今年2012年の頂点に立ったと言っても過言ではあるまい。
 単なるただの同窓会的な…青春の煌き今再びといった具合な期間限定の再結成とは全く異なる、あくまで新作リリース絶好の機会を視野に入れた、まさしく“機は熟した!”と言わんばかりな、旧メンバーのピエトロそしてグィドを核に新たなる4人の新メンバー(特に新ヴォーカリストのクラウディオの貢献度は大きい)、そしてもう一人のメンバーとも言えるイラストレーターのアドリアーノ・マランゴーニの手による1stで描かれた“重爆撃の鳩”に次ぐインパクト大な意匠…これら全てが、高度な演奏技量に加えメンバー間のハイテンションとが相俟って、かくも予想以上を遥かに越えた21世紀イタリアン・ロックの最高傑作となったのも頷けよう。


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第2位 ÄNGLAGARD/Viljans Öga
 個人的な見解で誠に恐縮なれど…前述のアルファタウラスの新作と、このアングラガルドの本復帰作こそが今年の1~2位争いの凌ぎを削ったというのも正直なところでもある(苦笑)。
 幽玄にしてミステリアスな佇まいの意匠通り、まさしく北欧の漆黒の闇夜と森の調べ、精霊達の饗宴に他ならない。
 ヴォーカリスト不在のオリジナルメンバー5人が再び集結し、凍てつく寒さの如き荘厳にして寂寥感漂う燻し銀の旋律は、やはり彼等ならではの持ち味と身上(信条)そのものである。
 メンバー全員の高度な演奏技量も然る事ながら、やはりキーボードとフルート奏者の素晴らしい仕事っぷりには兎に角頭の下がる思いである。
 アルファタウラスと共に対極を為す、まさにプログレッシヴ・ファンの為に然るべき珠玉の逸品とも言えよう。


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第3位 ACCEPT/TAIJI -Confrontation-
 日本のプログレッシヴ・シーンに於いて、もしも巨匠という代名詞が許されるのであれば、本作品こそ20世紀の巨匠Mr.シリウスと並ぶ21世紀ジャパニーズ・プログレの巨匠といっても過言ではあるまい。
 『TAIJI』=“胎児”或いは“対峙”という意なのだろうか。作品タイトルに様々な解釈こそあれど、実に何とも日本古来の宗教的にして哲学的な命題に沿った深遠にして悠久な“流れ”を感じることだろうか…。
 名実共にジャパニーズ・プログレッシヴの金字塔という賛辞よりも、本作品からはプログレッシヴというカテゴリーのみならず、様々な音楽的手法が濃密に内包したマルチプレイヤーという域をも完全に超越した、文字通り日本人の創作する純粋なまでの音楽への衝動、内宇宙・精神世界への探究という明確な答えがここにある。
 日本の誇りとして心から御礼を述べたい…。素晴らしい音楽を本当に有難う!


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第4位 I AND THOU/Speak
 この突如として我々の前に現れた、北米大陸からのユーロ・ロックの申し子にどれ程の美辞美麗の賛辞を贈っても余りある位に、泉の如く湧き出てくる欧州浪漫のリリシズムと抒情美に何度酔いしれ感涙した事だろうか…。
 グループの要ともいえるマルチプレイヤーJason Hartの温かい人柄の良さ、音楽的素養の広さ、コンポーズ能力とスキルの高さ、作品の随所に滲み出ている…初期ジェネシスからイエス、ルネッサンス…等をルーツとするプログレ愛の大きさと先人達へのリスペクトといった敬意に改めて感服する思いですらある。
 アニー・ハズラムの美麗でロマンティシズム溢れるジャケットアートも実に素晴らしい。アメリカ出身にしてヨーロッパの高貴な気品と香りがある。
 次回作ではどんな音世界で我々を堪能してくれるのだろうか?今から期待で心待ちしている次第である。


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第5位 DELUSION SQUARED/II
 2年前の2010年ベスト10で堂々たる1位を獲得して以来、久々のランクインである。
 年末恒例のプログレ・ベスト10を当ブログにてUPしてから概ね7年程経過しているが、日本のアクセプトと並んでこれで連続ランクインという快挙を成し遂げた。
 今年は上位ランクイン作品が余りに桁外れな完成度の作品群で占められているが故に、本作品のランクダウンこそ否めないが、作品の完成度は前デヴュー作と同等…否!それ以上のクオリティーと圧倒的な完成度を有している事は紛れも無い事実である。
 まるでこの世の果てか世界の終末観的な意匠に相反するかの様に、透き通るような美貌と天使の様な美声のミューズLorraine Youngの存在無くして、デリュージョン・スクワードは成立しないと言っても過言ではあるまい。
 オランダのキングフィッシャー・スカイや日本のアーリー・クロスと並ぶミューズ系シンフォニックの極致とも言えよう。


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第6位 SEBASTIAN HARDIE/Blueprint
 信ずれば願いや希望は必ず叶う…そんな映画やドラマじみた台詞が堂々と様になる位、臆する事無くドラマチックなまでに復活劇で決めてくれた彼等に心から拍手喝采を贈りたくなる。
 『哀愁の南十字星』時代で培われた過去の栄光の鎖から自らを解き放ち、時代相応なプログレッシヴにして軽快でメロウなポップスさを加味した、現代版セバスチャン・ハーディーの完成形を見る思いである。
 オープニングのっけから、もう既にマリオ・ミーロの甘美で泣きのギターとトイヴォ・ピルトのメロトロンを含むキーボードが奏でる様はセバスチャンの世界そのものである…。プラヴシック兄弟の強固で揺るぎ無いリズム隊も実に頼もしい限りである。
 タイトル通りのブルーを基調としたジャケットカラーが、広大なオーストラリアの大自然と澄み切った天空を如実に物語っている。
 長年沈黙を守り続けてきた事は決して無駄ではなかったのが何よりだ…。


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第7位 THE FORMER LIFE/Electric Stillness
 イタリアの若き才能にして新たな伝統の継承者の息吹きと到来を告げる、純粋無垢なまでの音楽的衝動と硝子細工の様に壊れ易くナイーブな感性とリリシズムが作品全体から発露した、新世代イタリアン・ロックの申し子と言っても異論はあるまい。
 音楽的ルーツでもあるピンク・フロイド影響下の多大なるブリティッシュイズムの洗礼を受けつつも、元オルメのアルド・タリアピエトラのソロ活動のバックで音楽的経験を磨き、イタリア人ならではのアイデンティティーとイディオムをも融合させた、イタリアの若者が思い描くロマンティシズムがデヴュー作品の端々で光沢を放っているかの様である。
 決して妥当な言葉では無いかもしれないが…往年のクエラ・ベッキア・ロッカンダの流れを汲むかの様な、繊細にして深みと渋さが味わえる新世代の稀有な一枚と言えるだろう。


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第8位 ORNITHOS/La Trasfigurazione
 ラ・マスケーラ・ディ・チェラのファビオ・ズファンティと並び、今や現代のイタリアン・ロックの顔的な立場になったとも言えるディエゴ・ペトリーニとエヴァ・モレリの(事実婚ともいえる)夫唱婦随と内助の功が奏した、イタリアン・ヘヴィ・シンフォニックの更なる決定版とも言えるだろう。
 ほぼ同時期に製作が進められていた、ディエゴ率いる片やもう一方のイル・バシオ・デッラ・メデューサの3rd新作が、ある意味完成の域に達した感があるが故、プログレッシヴ・マインドをより以上に推し進めたオルニソスが未完の大器を思わせるかの如く意図的を思わせる粗削りな部分が散見出来て、これからの成長が楽しみである分期待感を込めて今回ランキング入りした次第である。
 イル・バシオと同じくジャケットデザインを手掛けるベーシストの、永井豪を意識したかの様な日本のコミックス愛溢れるイラストも実に良い仕事をしている。


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第9位 TEE/Trans-Europe Expression
 嗚呼!日本のプログレッシヴも漸くここまで辿り着いたのか…そんな感慨深い思いに捉われる位に、我々日本人が思い描くであろうヨーロッパのヴィジュアル感を、実に色鮮やかな空中庭園をも想起させる意匠に封じ込めた彼等が、ヨーロッパ遠征公演で得た確固たる自信と自らの音楽世界観が強く反映された、まさしく日本のプログレの名作でもあるケンソーの『夢の丘』に迫る勢いで、日本のシンフォニック・ジャズロック屈指の一枚となった感を覚える。
 緻密にして繊細極まる彼等の作品に追随するかの様に、日本の次世代を担うプログレッシヴの新たな波が世界を視野に入れてこれからも躍進していく様を、本作品が先駆者的な立場となって自らを指針と為す気概さがひしひしと熱いくらいに伝わってくる。


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第10位 CUPRUM/Musica Deposita
 もう何年もの間、音信普通の感が否めなかった東欧チェコのロック・シーン。
 近年はオルタナ系やらレコメン、アヴァンギャルドが主流で幅を利かせて、やや誤魔化され気味な印象を拭いきれなかったのが正直なところで、そんなさ中にいきなりロックの原点回帰を謳い目指したかの様な、正々堂々たる潔くも真摯な姿勢で真っ向から全世界に向けてチェコのプログレッシヴここにあり!と言わんばかりな気迫と熱気が火傷する位に熱く伝わって来る、渾身の力と全身全霊が込められた熱き魂の一枚と断言出来よう。
 チェコのロックシーン復活の狼煙を思わせる再生と希望が見出せると共に、往年のZEPやジェスロ・タルといったブリティッシュ・スピリッツとロックの熱さが体現出来る、21世紀東欧シーンの類稀なる奇跡と言えるだろう。

 本編の最後に…今回惜しくもランキングから外れてしまいながらも、本当に音楽作品的に素晴らしくランキングから漏れるには非常に惜しまれるアーティスト達に改めて敬意を払いつつ、次点候補でもあった証として名前を列挙させて頂く。

IL BACIO DELLA MEDUSA/Deus Lo Vult,RUSH/Clockwork Angels,
LOCANDA DELLE FATE/The Missing Fireflies…,IZZ/Crush Of Night,
AUTUMN CHORUS/The Village To The Vale,LUGNORO/Annorstädes,
TOMPOX/Hungarian Eclectic,X-PANDA/Flight Of Fancy,
ASTRA/The Black Chord,FLYING COLORS/Same…etc,etc

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