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<<   作成日時 : 2017/05/31 16:33   >>

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 5月最後の「Monthly Prog Notes」をお届けします。
 今回のラインナップはイタリア、イギリス、そして久々にスペインから、ミュージシャン・シップとしての誇りとプライド、各々のアーティスティックな感性と個性の発露に加えて、自国のアイデンティティーが色濃く反映された、初夏の爽やかさと梅雨時手前の陰鬱さといったイメージに相応しい選りすぐりの作品が出揃いました。
 もはや21世紀イタリアン・ロックに於いてベテランの域に達したと言っても過言では無い、才媛のキーボーダーElisa Montaldoを核とした“イル・テンピオ・デッレ・クレッシドレ”4年振りの新作3rdは、多国籍プロジェクト・バンドVLYにて活動を共にした…アングラガルドを始め名うての21世紀北欧プログレッシヴに携わってきたMattias Olssonを新たなドラマーに迎えて、イタリアと北欧のマインド、70年代ヴィンテージ+21世紀プログレのスタイリッシュさが加味された、かつてのムゼオ・ローゼンバッハのプロトタイプから完全に脱却・払拭し自我のスタイルを確立させた最高傑作に仕上がっています。言わずもがな必聴必至間違い無しです!
 イギリスからは80年代ポンプ・ロック勃発時に登場したアベル・ガンズの初期メンバーだったドラマーとベーシストを中心に、ブリティッシュ・プログレッシヴの王道復古とポンプ・ロックの初心と原点回帰を目指すべく再びベテラン・プレイヤーが結集した“ロング・アース”のデヴュー作も聴き処満載です。
 21世紀ネオ・プログレッシヴながらもどこか抒情的で懐かしさすら覚えるメロディーラインにきっと魅入られる事でしょう。ミステリアスでオカルティックなアートワークにも注目です。
 スペインからは今春当ブログにて紹介され大きな反響を呼んだサークル・プロジェクトに続き、バルセロナからの新たな刺客ともいうべき新進気鋭なニューカマー“オン・ザ・ロウ”にも要注目でしょう。
 かつてのイセベルグやイ・マンといったクロスオーヴァー系ながらも、シンフォニックなエッセンスをも兼ね備えたジャズ・ロックの流れを汲む正統派の後継者ともいうべき白熱の演奏テクニック、楽曲から感じられる地中海のイマジネーションはワールドワイドな視野を目指しながらもスパニッシュな精神が脈々と感じられ、とてもデヴュー作とは思えない好作品堂々たる降臨と言えるでしょう。
 うだる様な蒸し暑さと陰鬱な梅雨空の時季を爽快に吹き飛ばしてくれるであろう、プログレッシヴ魂全開な熱き楽師達の饗宴に、暫し身も心も委ねて頂きたく思います…。

1.IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE/Il-Lūdĕre
   (from ITALY 2017)

画像
     1.Le Regole Del Gioco/2.La Parola Magica/3.Come Nelle Favole
    /4.Dentro La Mia Mente/5.Spettro Del Palco/6.Prospettive
    /7.Manitou/8.Nuova Alchimia/9.La Spirale Del Vento
    /10.Gnaffè (Bonus Track)

 一見幾何学的なジグソーパズル…或いはパウル・クレーの線描抽象画を思わせる、デヴュー作ないし2作目で感じられた仄かなダークイメージを根底から覆してしまう様な、何とも奇妙キテレツ摩訶不思議なアートワークに包まれたイル・テンピオ・デッレ・クレッシドレ、4年振りの新譜に当たる3rdアルバムがここに遂にお目見えと相成った。
 白地にアーティスティックな抽象画の意匠はキーボーダーの才媛Elisa Montaldoの手によるもので、バンドのスコアだけに留まらない彼女の類稀なる傑出した更なる才能の一片が窺い知れよう。
 Elisa自身ソロ活動始め多方面でのプロデュース、そして2年前VLYでのMattias Olssonとの共同作業…等を経て、ひと皮もふた皮も剥け更なる新たなサウンドヴィジョンの境地に達した最高の会心作とも言うべき一枚に仕上がっている。画像
 VLYでの活動を経て新たにドラマーとして加入したMattiasの手腕の巧みさも然る事ながら、ベーシストFabioとの抜群なリズムコンビ、Giulioの力強さと繊細さが同居したギター、Francescoのたおやかで歌心溢れるヴォイス…etc、etc、収録された全曲の端々から伝わってくるバンドメンバーの素晴らしい演奏技量と表現力が全て一点に集約し本作品を最高最上のレベルへと押し上げているのが、聴き手側の素直な気持ちで彼等への熱い思いとこれからの展望を思うと嬉しさと頼もしい期待感は隠せない。
 イタリアと北欧のマインド、70年代ヴィンテージ・ロックへの憧憬と21世紀プログレッシヴの持つスタイリッシュさが見事にコンバインし、最早かのムゼオのプロトタイプという揶揄からも完全に脱却し陰に隠れる事無く堂々と自らの存在意義をも確立させたターニングポイントな趣すら禁じ得ない。
 個人的には中世的なリリシズムにエロティックでデカダンな雰囲気漂う5曲目のPVが実に魅力的ですらある。
 必聴必至な最高の一枚、ここに極まれりの思いである…。
                 

Web http://www.iltempiodelleclessidre.com 
    http://www.facebook.com/iltempiodelleclessidre/?fref=ts


2.LONG EARTH/The Source
   (from U.K 2017)

画像
   1.The Source
     i )Through The Void/ii)The Source/iii)First Steps/iv)The Call
   2.Ghosts
     i )Invisible/ii)Above And Beyond/iii)Ghosts/iv)Her Ghost In The Fog
   3.Where Is The Laughter/4.Children Of War/5.The Deafening Silence

 “ここ(霊が)出るんですよ〜!!”といった具合に、あたかも稲川淳二か北野誠の心霊ホラードキュメントから、そんな言葉すら聞こえてきそうな…一見心霊スポット巡りで訪れたトンネルでの心霊写真を連想させる不気味な意匠であるが、そんな冗談はさておき本作品でめでたくデヴューを飾る事となった正統派ブリティッシュ・プログレッシヴの流れを汲むニューカマーにして実力派プレイヤー揃いの注目株ロング・アース
 80年代の初期アベル・ガンズのメンバーだったドラマーKen WeirとベーシストGordon Mackieを中心に結成された、良い意味で初期ブリティッシュ・ポンプ時代の名残とたおやかで抒情味溢れる泣きのメロディーラインが作品全体のカラーとなっており、画像21世紀プログレッシヴにカテゴライズされながらも安易にネオ・プログレやらメロディック・シンフォといった時流の音に寄りかかる事無く、派手になりがちな曲展開を極力抑え、あくまで初期〜中期ジェネシスやマリリオン影響下直系の畳み掛ける様なサウンドワークを主流に、英国独特の物憂げなメランコリックさと陰影を帯びたエモーショナルな雰囲気とが相まったイマジネーション豊かなシンフォニックを構築している。
 昨今のポッと出の若手プログレバンドが一朝一夕では決して真似出来ない位、音楽性とメンバーの面構え然りベテランとしての風格とプライドが作品全体から滲み出ており、おそらくは彼等と同世代であろう私自身も元気付けられる様な思いで好感を覚えている次第である。
 前述のアートワークの話、なるほど組曲形式の2曲目のタイトルからして納得である。
 不気味さやホラーテイストというよりも、かのフランスのピュルサーの『Halloween』にも近い雰囲気に似ている。
 英国からまたしてもオジさん世代の傑出した面白いバンドが登場した事に拍手喝采である。

Web http://www.longearthmusic.co.uk 
    http://www.facebook.com/longearth1/?fref=ts


3.ON THE RAW/Big City Awakes
   (from SPAIN 2017)

画像
     1.Big City Awakes/2.Roller Coaster/3.Day 49
    /4.On The Raw/5.Caravan/6.Dreams In A Box
    /7.Everything Will Come/8.Two Steps From Glory
    /9.Looking For Mr. Hyde

 突然何の前触れも無くスペインからいきなり活きの良過ぎる…かのサークル・プロジェクトに続くであろう、まさしく新進気鋭であると同時に並々ならぬ気力とダイナミックな迫力を感じさせるニューカマーが登場した。
 バルセロナから彗星の如く降臨したオン・ザ・ロウなる、Key、G、B、Ds、そしてフルート兼サックス奏者の基本的なヴォーカルレスの5人編成で、近未来的なフォルムに暮れなずむ夕陽の黄昏時…そんな刹那な一瞬の時間を切り取ったかの様な印象的な意匠をそのまま音に転化した、さながらかつてのイセベルグやイ・マンをも彷彿とさせるスパニッシュ系の伝統を踏襲しシンフォニックで且つヘヴィとメロウな側面をも兼ね備えた21世紀相応のスタイリッシュでファンタスティックなジャズロックを構築していると言っても異論はあるまい。
画像 その新人離れしたテクニカルでセンシティヴな演奏技量とアーティスティックな感性に加えて、徹頭徹尾息つく隙をも与えない位の緩急自在な曲構成と展開にあっては、もはや聴き手の誰しもが耳にした瞬間放心状態で溜飲の下がる思いに捉われる事だろう。
 メンバー全員がそれぞれ自国のシンフォニック系ないしネオ・プログレ系のバンドで実績と経験を積み重ねてきただけに、純粋に自らの音楽性に対し自問自答し突き詰めた結果スパニッシュ&ジャズィーなスタイルへと辿り着いたというのは些か穿った見方だろうか。
 いずれにせよ聴き手の心はいつしかカタルーニャの青い空と爽風を飛翔し、地中海の紺碧の大海原にその身を委ねている事だろう。
 照りつける初夏の青空と陽光の下、カーステレオで聴きながら海沿いを思いっきり疾走したい…そんな衝動に駆られてしまいそうだ。
 いつの日か日本のTEEと対バンで競演させてみたいと思うのは私のささやかな我が儘であろうか(苦笑)。
                 

Web http://www.ontherawband.com 
    http://www.facebook.com/ontherawband/?fref=ts

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