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<<   作成日時 : 2014/07/31 16:29   >>

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 今月最後の「Monthly Prog Notes」をお届けします。
 梅雨明けと共に夏本番の到来で厳しい猛酷暑が肌で感じられる今日この頃ですが、今回はそんな真夏の暑さを暫し忘れさせてくれる、一服の清涼剤にも似たクールなサウンドとジャケットカラーの意匠の3作品を紹介いたします。
 リリース前から話題になっていた“イエス”3年振りの新譜は、ロジャー・ディーンの手によるスカイブルーを基調としたカラーリングに巨大な樹氷を思わせる美しくも雄大なイメージに違わぬ、ポップなフィーリングとシンフォニックが融合した唯一無比の不変なイエスワールドが繰り広げられてます。
 日本のプログレッシヴ・シーンからも素晴らしい2作品が到着しました。
 7年振りの新譜となる“ケンソー”は、前作と前々作に見られたアジアンテイストな文芸調から一転して、20世紀代の最高傑作にして名作『夢の丘』に匹敵する、正統派ジャパニーズ・プログレの真髄たるものを聴かせる…久々に手応えを感じさせる会心の一作になったと言っても過言では無いでしょう。
 今世紀の日本のプログレ・シーンで早くも数えること4作目となった、今やベテランの域に達した感が大きい最強のユニットデュオ“Lu7(エルユーセブン)”。
 そんな彼等の近未来的なフォルムとイマジンが垣間見える新作は、ジャケットから受けるイメージ(苦笑)の良し悪しを抜きに彼等の全作品中最高の出来栄えとなった事を物語るであろう、ヴァーチャリティーとプラスチックな夢とファンタジーが綴れ織りの一大音楽絵巻に仕上がっています。
 猛暑厳しい夏、冷房の効いた涼しい部屋で白昼夢の如きクールで無限に拡がる音楽世界を御堪能下さい。

1.YES/Heaven & Earth
   (from U.K 2014)

画像
       1.Believe Again/2.The Game/3.Step Beyond
      /4.To Ascend/5.In A World Of Our Own/6.Light Of The Ages
      /7.It Was All We Knew/8.Subway Walls
      /9.To Ascend〜Acoustic Version (Bonus Track)

 名実共に復活作となった2011年の前作『Fly From Here』から3年振りの新譜を引っ提げて、再び我々の前に帰ってきたイエス
 68年のデヴューから数えてライヴからベスト・コンピ、未発マテリアル等を含めて通算21作目に当たる本作品であるが、かつてのブリティッシュ5大プログレバンドの中で、クリムゾンと共に今世紀に於いてもなお現役としてのプライドを保持し続け年輪を積み重ねて神々しく輝いている、まさしく巨匠の名に恥じない会心の一枚になったと言っても過言ではあるまい。
 キーボードがジェフリー・ダウンズだったりオリヴァー・ウェイクマンだったりとあやふやで曖昧模糊みたいだった前作から一転して、今作ではジェフリーがメインキーボードの座にしっかりと収まり、ヴォーカリストも前作で好演したベノワ・デイヴィッドから新たにアメリカのグラス・ハマーに在籍していたジョン・デイヴィソン(アンダーソンと同じジョンという名前というところが偶然というか運命付けられているみたいだ)に交代し、サポートメンバーを入れる事無く、クリス、スティーヴ、アランと従来通りの5人イエスの布陣で臨んだ、原点回帰とも言うべき初心表明すら窺える。画像
 『こわれもの』『危機』といった名作始め、『海洋地形学の物語』『リレイヤー』『ドラマ』といった(6人目のイエスでもあるロジャー・ディーンのジャケットワークを含めて)、全盛期の変拍子を利かせて押しまくる超絶・複雑なサウンドワークを経た彼等の現在(いま)を反映しているかの如く、そこには年齢相応の幾分平穏なイメージとヒーリングなエッセンスを含んだ、リラックスして心底から音楽を楽しんでいるという真摯で実直な揺るぎ無い姿勢に心から拍手を贈りたい。
 派手々々しさが稀薄になった分、雄大にして甘美なメロディーラインが実に心地良くて却って逆にイエス本来の持ち味が存分に活かされているのも最大の聴き処と言えよう。
 夏の暑さすら忘れさせてくれる清涼感に満ちたクールなスカイブルーの意匠も然る事ながら、前任ベノワ以上にアンダーソン的ヴォーカルの力量が秀でたデイヴィソンの今後に注視せねばなるまい。

Web http://www.yesworld.com/


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2.KENSO/内ナル声ニ回帰セヨ
   (from JAPAN 2014)

画像
       1.若き日の私へ/2.新宿厚生年金に空/3.江天暮雪
      /4.Voice Of Sankhara/5.朱に交わればRED
      /6.農耕民族に告ぐ!/7.心は過去へ向かう
      /8.A Song Of Hope

 80年代の日本のプログレッシヴ・シーンに於いて、関西プログレ・ハード系のノヴェラに相対する形で、関東のもう一つのプログレッシヴの主流・礎を築いたと言っても過言では無いケンソー
 東京町田のレコードショップPAMを通じて自主リリースのデヴューを飾った80年、そして紆余曲折を経て85年にキング/ネクサスでメジャーに進出してから、本作品の新譜を数えて早いもので彼等も30年選手のキャリアを誇るジャパニーズ・プログレッシヴの代表格として、今や神格化にも近いオーラすら漂わせているのも頷けよう。
 ベテランとしての風格を保ちつつも大御所という名に決して甘んずる事無く、現在もなお一切の妥協を排した飽くなきプログレッシヴへの探究心は本作品でも健在で、画像21世紀以降の作品で顕著に見られがちだった…エキゾチックな文芸路線と難解なテーマが混在した『天鵞絨症綺譚』、その続編とも言うべきアジアンテイストなカラーが更に色濃くなった感を覚える『うつろいゆくもの』を経て、8年振り待望の新譜とも言える本作品では久々に本来のケンソーらしさに立ち返ったという意味合いで、『スパルタ』並び名作の『夢の丘』、果ては『エソプトロン』といった傑作群にも迫るプログレッシヴ・マインドとシンパシーが遺憾無く発揮された快作に仕上がっている。
 創作活動の一方で歯科医に勤しむ清水義央先生を始め、メンバー各々が音楽関係含む本来の正業に携わっているという文字通り多忙を極めているさ中に於いて、結成以降一度たりともクオリティーが落ちる事無く高水準な完成度とテンションを30年以上も保ち続けているという事に改めて脱帽すると共に敬意を払わねばなるまい。
 全曲とも素晴らしい完成度を有している中で、3曲目の静寂なムーディーさは彼等ならではの芳醇な香りの曲想が堪能出来る秀作として推したい。

Web http://www1.u-netsurf.ne.jp/~kenso/

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3.Lu7/Azurite Dance
   (from JAPAN 2014)

画像
       1.Azurite Dance/2.One Screw Short/3.浮遊都市
      /4.Interlude #1/5.Raw One/6.積みわらの歌/7.Rim Light
      /8.Dunes In Ancient/9.Interlude #2/10.トキヲコエテソラニカエリ
      /11.雨の庭/12.Berceuse/13.おかえり

 プログレッシヴ、クロスオーヴァー…etc、etcの様々な音楽形態を内包し、その独特なサウンドアプローチで各方面から賞賛されている、梅垣ルナと栗原務の両名によるインストゥルメンタル・ユニットLu7(エルユーセブン)
 2002年にムゼア/インターミュージックでセンセーショナルなデヴューを飾って以降、不定期ながらもコンスタンスにマイペースを守りつつ、2005年に2nd『L'esprit De L'exil』、そして2010年VEGAに移籍して3rd『Bonito』をリリースし、この度4年振りの新譜4thが届けられた。
 如何にも売れ線を意識したかの様なジャケットの意匠を御覧になって「?」と思われる方々もいるかもしれないが、そんな安易な先入観はこの際一切捨て去って心を空白にしてお聴き願いたい。
 ブレードランナー或いは攻殻機動隊をも思わせる様なイルミネーション輝く近未来都市に、さながら人間とアンドロイドのデュオを思わせるLu7といったイメージと寸分違わない、画像シンフォニック・ロックとジャズロックがコンバインした流麗でテクニカル、プラスチック・ファンタジーな浮遊感とヴァーチャルな美しさを湛えた梅垣女史のキーボードワークに栗原氏の超絶無比にしてエモーショナル、センシティヴで且つアグレッシヴなギターワークが織り成す眩いばかりなサウンド・スカルプチュアーに、暫し息つく暇も無いくらいの快感が味わえると共に時が経つのも忘れてしまう事だろう。
 二人の創造音楽空間を支えるリズム隊、ヴァイオリン、チェロ、ヴォイス…等のゲストサポート陣の好演も然る事ながら、梅垣女史のサウンドスキルとコンポーズ能力の高さには以前にも増して私自身舌を巻く思いですらある。
 特に7曲目から11曲目にかけてのトータル感な流れは秀逸にして聴き処と言えよう。絶対必聴作!

Web http://lu7.biz/index.html


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Lu7「Azurite Dance」を再聴
Musician●Lu7Title●Azurite Dance(2014年)■Amazonより購入 大変ご無沙汰しております。相変わらず生活がバタバタしている状況で、思うようにブログが更新できないのですが、何とか継続することを念頭に頑張っていきたいと思います。 さてさて、昨年から ...続きを見る
奇天烈音楽館 Strange Kind ...
2015/07/12 22:03

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