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<<   作成日時 : 2013/04/29 17:12   >>

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 4月末の「Monthly Prog Notes」をお届けします。
 連休真っ只中、怒涛の様な大御所イタリアン・ロックの来日ラッシュで俄かに湧き立った興奮の坩堝が冷めやらぬ昨今ですが(イタリアの来日後にはフランスのアンジュ来日公演も控えている事ですし)、近年の活況と盛況著しいイタリアン・ロックには正直目を見張るものが沢山あり過ぎて、さながら1973年の黄金期真っ只中のデジャヴをも見る思いに駆られます。
 ただ唯一の違いは、70年代後半の様な停滞期やら長年の沈黙といった悪夢の繰り返しはもう今後二度と訪れる事はありませんが(苦笑)。
 その40周年周期に当たる今年2013年、完全復活を遂げた“ムゼオ・ローゼンバッハ”実に40年ぶりの最新作は、バンドの存在が最早過去の遺物ではない事を如実に証明した現在(いま)を伝える充実の入魂作と言えるでしょう。
 70年代に結成され、何度もデヴューのチャンスが巡ってきたにも拘らず、今日まで生き長らえてきたロック・テアトラーレの注目株“タグス”。長年待ち望んだデヴュー作は往年の70年代イタリアン・ロックの香りと名残を留めた、新旧問わずにイタリアン・ロックを愛する者達の為に登場したと断言出来る秀逸の一枚です。
 昨年末に自主リリースされた“プロジェネシ”は、まさしくその名の通り、プログレッシヴを志す若者達が、21世紀という時代に向かって新たな歴史の一頁を築くが為に世に躍り出た期待のニューホープ。EL&PとPFM影響下の熱い魂と迸るパッションが存分に堪能出来る必聴の好快作に仕上がっています。
 桜舞う春から風薫る初夏へと季節の移り変わりに相応しい、栄光のプログレッシヴ新時代の追い風を耳で感じ取って下さい。

1.MUSEO ROSENBACH/Barbarica
   (from ITALY 2013)

画像
       1.Il Respiro Del Pianeta/2.La Coda Del Diavolo
      /3.Abbandonati/4.Fiore Di Vendetta
      /5.Il Re Del Circo

 名実共にイタリアン・ロック史に燦然と輝くカリスマ的名作にして唯一作でもある『Zarathustra』から、実に40年ぶりの正式復活作をリリースし見事第一線に返り咲いたムゼオ・ローゼンバッハ
 ヴォーカリストのStefano“Lupo”Galifiが2010年のイル・テンピオ・デッレ・クレッシドレでの活動再開を契機に、その後バンドと袂を分かち、かつてのオリジナルメンバーだったAlberto MorenoとGiancarlo Golziと合流。
 新たなメンバー4人を迎えてツインギター+ツインキーボードの7人編成という大所帯の新布陣で臨んだ本作品は、自然環境破壊への警鐘や地球愛…或いは人類の傲慢な驕りをも糾弾した、画像まさしく復活作に相応しい重々しいテーマを全面的に打ち出した21世紀版“ツァラトゥストラ組曲”さながらのヘヴィ・プログレッシヴを、荘厳にして崇高且つ劇的に展開している。
 デジタル系キーボードによるオーケストレーションの多用やハードでエッジの効いたギターワークといった器材の音色が時代相応ながらも、独特の歌い回しや妖しく翳りのある旋律は40年経過した現在でも不変であり、サウンドコンセプト、コンポーズ能力に於いて流石ムゼオならではのアイデンティティーやカタルシスを禁じ得ない。
 収録時間が40分という点で多少物足りなさを感じなくもないが、アナログ盤時代に倣ったヴィンテージ感覚と数種類のペイントでコラージュされた意匠に、安易な復活劇では無い更なる原点回帰に立ち返った並々ならぬ意欲さが伝わってくる。
 私論ながらも…復活したから今だからこそ、ゆっくりと牛歩的で構わないから地に足を着けた創作活動を継続し、次なる新作に向けて模索して欲しいというのは些か我が儘な弁だろうか。
 いずれにせよ、彼等ムゼオにはまだまだ混迷の21世紀で熱き魂と憤怒の咆哮を聴かせてほしいと願わんばかりである。

Web http://www.museorosenbach.com


2.TUGS/Europa Minor
   (from ITALY 2013)

画像
       1.Waterloo/2.Il Re E D Il Poeta/3.La Brigata Dei Dottori
      /4.Pietroburgo 1824/5.Le Colline Di Ems/6.Il Pianto
      /7.Il Sogno Di Jennifer/8.Nostra Signora Borghesia
      /9.I Bambini D'Inverno/10.Canzone Per Un Anno/11.Nanou

 何とも時代錯誤を思わせる骨董品級な古めかしさを感じさせる意匠だろうか…と、そんな下世話的な言葉すらふと脳裏を過ぎるかの如く、あたかも70年代のバンドが21世紀の現代にタイムスリップしてきましたと言っても誰も疑う余地が無い位、“古(いにしえ)”の息遣いと気概をも感じさせる異色の新参者タグス、ここに堂々のデヴュー作を引っ提げての登場である。
 そもそも彼等の結成は第一次イタリアン・ロックムーヴメントの嵐が吹き荒れる70年代半ば頃で、結成当初から彼等のホームタウンでもある地元リヴォルノにて小劇団と共に演劇との融合による演奏活動を試みていたとの事で、その一種独特の奇抜なライヴパフォーマンスで、当時はあのトリデントレーベルからもアプローチがあったそうだ。
画像 バンドの存在は年代と歳月を追う度毎に世代交代やらメンバーチェンジといった集散を繰り返して現在にまで至り、漸く念願のデヴューを飾る事となった次第である(所謂、演劇集団お抱えの専属バンドなのかもしれないが)。
 端整で的確なピアノワークをメインに初期PFMを思わせるシンセの音色に加え、朗々と謳い上げるヴォーカリスト、ギターからリズム隊に至るまで、全てが第一級品の腕を誇る実力派揃いで、ゲスト参加のフルートにヴァイオリンにヴィオラ、その他諸々のゲストプレイヤーを迎え、様々な効果音を配し中世の佇まいと地中海の雰囲気を湛えつつ時代に迎合しないアナクロニズムで現在も演劇とのコラボによる活動を継続中である。そのせいなのかもしれないが芝居小屋特有の猥雑さが見え隠れしており、イタリアン愛好者のみならずテアトル系のファンなら思わずニヤリとする事だろう。
 兎にも角にも、(良い意味で)その時代逆行を思わせる70年代イズムを引き摺ったイタリア臭さ全開のサウンドに、21世紀のイタリアのバンドには何かしらしっくりと来ない一部の頑固者リスナーをも唸らせる、まさしく職人芸の域にも達した匠の業をも垣間見る思いですらある。
 見開き紙ジャケットにインナーブックレットと、至れり尽くせりの大盤振る舞いとはまさにこの事であろう。絶対必聴作である事間違い無し!思いっきり泣いて欲しい…。

Web http://www.todomodomusicall.org


3.PROGENESI/Ulisse L'Alfiere Nero
   (from ITALY 2012)

画像
       1.La Gioia Della Pace/2.La Strategia
      /3.Il Blue Della Notte/4.Il Rosso Della Notte pt.1
      /5.Il Rosso Della Notte pt.2/6.Un Grande Eroe

 タイムリー的にはやや出遅れた感こそ否めないが、昨年末に自主リリースと言う形で堂々のデヴューを飾った期待の新鋭プロジェネシ
 名は体を表すというが、ネーミングからしてPROGRESSIVEとGENESISというスペルとキーワードが合体した、まさしく正統派イタリアン・プログレッシヴを志し伝統を受け継ぐ為に世に出てきたと言っても過言では無い。
 Keyを筆頭にG、B、Ds、Violin、Celloの6人編成で、収録されている全曲ともオールインストのみの構成である。
 ジャン・ピエール・アラルサンの『Tableau N°1』をも連想させる一見地味風なジャケットからは俄かに想像し難い、EL&P=エマーソン影響下のハモンドやシンセ系統をメインにした弾き倒しのパッセージと、PFMのリリシズムとアカデミックな素養、果てはバンコの緻密な構築美とがコンバインした、これぞプログレッシヴの雛形たる理想の形を目まぐるしく展開し、聴く者に息つく暇すら与えない位、至高にして天井知らずの極限すらも窺い知る事が出来よう。
 あくまでオルメやラッテ・エ・ミエーレ系とはまた違った意味での唯一無比の崇高さとストイックを身に付けており、その姿勢たるや何度も繰り返し聴く度に脱帽する思いである…。
 ラ・トッレ・デル・アルキミスタに肉迫するかの様なパッションと高度なスキルを有し、新世代イタリアン・ロックの現在進行形をまざまざと見せ付けられるこの思いは、演奏する側と聴き手の側もまさに痛快極まりない事だろう。
 ちなみに聞くところによると…参加メンバーのチェロ奏者は現地の某音楽院で学んでいた日本人ワタナベイッセイなる者との事。
 スポックス・ビアードのリョウ・オクモトやビリーヴのサトミといい、日本のプレイヤーが海外のバンドに参加して精力的に活躍している事を思うと、胸が熱くなり誇らしく思えてならない。
 ジャパニーズ・プログレッシヴスピリットが遂にイタリアでも開花したことに改めて拍手を贈りたい。
 惜しむらくはバンドのフォトグラフと公式サイトがまだ無い事だろうか(苦笑)。

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